第1章 過去
飛び出した後、義理の両親から直々に話があり、
「もう私達じゃ君を育てられない」
と言われ、今の場所に居座った。
『寒いなぁ』
寒い寒いと思ったらもっと寒くなるから、
暑いと思えばいいのかな。
そしたら暑くなれるかな。
だけど私が欲しいのは暖かさじゃない。
家族の温もりだ。
何も無い日でも抱きしめてくれて
ギュッ
そうそうこんな感じに…
『えっ?!』
突然誰かに抱きしめられ驚きを隠せない
目の前が真っ暗だ
「どうして君はこんなところに居るんだい?」
『えっ、あの…』
何故私がこんな所に居るのより、何故貴方が私を抱きしめたのかの方が聞きたい。
「身寄りが無いなら私の所へ来るといいよ」
彼は私をやっと離したかと思うと手を差し伸べて
ニコッと笑ってくれた。
彼の声は優しくて
気をつけていないと涙が溢れそうだった
私はその手を取るべきか正直迷った。
取ったら私はどうなるのだろうか。
また前みたいに愛してくれないのでは無いのか
『…1つ聞きたい事があるの』
「なんだい?」
『私をちゃんと愛してくれる?
わたしが悲しかったら一緒に泣いてくれて、
どんな時でも私を信じてくれる?
私に…私に家族の温もりを教えてくれる?』
泣きじゃくりながら聞いた
なぜ自分でも涙が出たのか分からない。
そして彼はこう言った
「もちろんさ_____」