第2章 甘露寺さんとの甘味屋
ゲホッ、ゲホゲホ
咳き込んだ炭治郎君に胡蝶さんが水をあげる
「鎮痛剤が入っているため
楽になります。
怪我が治ったわけでは無いので
無理はいけませんよ」
そんな胡蝶さんの忠告を無視して
炭治郎君が大きく息を吸い、
みんなに説得するように大きな声で喋る
「…俺の妹は鬼になりました
けど人を喰ったことはないんです
今までも、
これからも、
人を傷つけることは絶対にしません」
その場に居た誰もが一瞬ときを忘れる。
すかさず柱からの毒舌攻撃が始まった。
「くだらない妄言を吐き散らすな
そもそも身内なら庇って当たり前
言うこと全て信用出来ない
俺は信用しない」
「あぁ、鬼に取り憑かれているのだ。
早くこの哀れな子度を殺して
解き放ってあげよう」
私も、もし兄さんが鬼になったら、きっと
炭治郎君のみたいに庇うだろう。
血こそ繋がって無いが、
その気持ちはよく分かる
だがやはり場の皆は
納得してないようだった
「困ります不死川様!
どうか箱をお離しくださいませ!」
皆がうーん、と悩んでいたその時。
隠が困ったように声をあげた。
「鬼を連れてた馬鹿隊員はそいつかィ?
一体全体どういうつもりだァ?」
木の箱をもって堂々とやってきたのは
風柱の不死川実弥。
先に言っておこう。私は彼が嫌いだ
昔よりはマシになったが、
この人の弟のせいで私の可愛い姪っ子が
怪我をする羽目になった。
(しかも嫁入り前の可愛い顔に…)
今でも思い出すだけで
手が出てきてしまいそうになる
時は遡って
風柱が不死川実弥に変わった時。
彼は初対面の兄さんに向かって
「いいご身分だなァ
おいテメェ
産屋敷様よォ」
『おいテメェ?!』
兄さんの側に座っていた私は
余りにも酷い態度に
握り拳が出てきそうだったが
「いいよ日和。言わせてあげておくれ」
その後の誤解が解けたあと不死川は
態度を改めたが、私はまだ許してない
昔よりは許せてたと思うが
今会った事によって
私の中の切れちゃいけない何かが
切れそうになっていた