第2章 本当は仲良くなりたい
―椿姫sideー
私はあの時、何で声をかけ返せなかったんだろう?
校門の前で、竹谷君が私に微笑んでくれたのにな…
「はぁ…何でこうなんだろう?」
校門の前で私が竹谷君と鉢合わせた時、竹谷君が私に
微笑みかけてくれた…。
「竹谷君があんな優しく微笑んでくれたの初めてだった。」
彼の笑顔を見た瞬間、私はとても胸が温かくなった。
凄く嬉しくて、ちょっとドキッとした…。
「久々知君にmailしてみよう…かな?」
私はそう言って、スマホに手を伸ばした。
そして、mailを打って送信すると、すぐに返事が来た。
〝八左ヱ門と仲良くしてみれば?“
久々知君にmailそして返信がこれだった。
「そんなの…簡単に言わないでよね…」
私は久々知君のメールに『無理だよ…』と返信を返した。
゛しっかりと頑張って声掛けなよ。応援するからさ“
久々知君…凄く良い奴だ。
「どう…声をかけて良いんだろう?」
私はとても悩んだ。だって…話した事が無いのだから。
私はスマホを手に持って天井を見つめていた。
すると、スマホのLINEに友達からのLINEが来ていた。
‷竹谷君に告白したんだ…‴
「え?こ、告白?!嘘?!」
私は友達のLINEを見て驚いた。
そして、その後直ぐに続きのLINEが送られてきた。
‷でもね、フラれちゃったの‥‥。好きな子いるんだって。‴
友達のLINEに私は唖然としていた。
その友達はとても可愛らしくて、明るい子だった。
何よりも…
「竹谷君と一番仲良かったのに…」
そう、その友達は竹谷君と特に仲が良い子だった。
「竹谷君に…好きな子がいた…」
友達がフラれてしまった、その上彼には好きな人がいた。
そのショックから、私は抜け出せなかった。
話したいという衝動と、気が引けてしまう気持ちが交差し、
私はどうして良いのかが分からなかった。
「私…尚更、話しかける事出来ないじゃん…。」
私はそう呟いて、スマホの画面を見つめていた。
竹谷君に会うのが辛い…。
私は何故かそう思っていた。自分でも分からない…
「竹谷君に…どう話せば良いんだろう?」
そう考えていても、私の脳裏に浮かぶのは彼の笑顔。
私に向けてくれたあの微笑みが心苦しい。
そう思いながら、私は自然と意識を夢の中へと手放した。