第2章 本当は仲良くなりたい
「あ…あの…!!」
椿姫が勇気を振り絞ってそう声をかけると、八左ヱ門はふと
顔をあげた。
「神崎…?!」
「あの…い、一緒にお昼…食べない?」
「へ…?!お、おぉ…。////」
「良かった…。ありがとう///」
椿姫の誘いに八左ヱ門は心中で『よっしゃ』とガッツポーズを
して、喜んでいたのを隠しながら、そう返答した。
椿姫も誘いにOKして貰えたのが嬉しくて、自然と笑顔を
浮かべた。
「じ、じゃあ‥‥屋上に行くか?」
「うん。」
そう言って2人は昼食を手に持ち、屋上へと向かった。
そして、屋上の扉を椿姫が開けようとした瞬間…
「俺が開けるよ。」
八左ヱ門はそう言って、屋上の扉を開け、先に椿姫が
扉から出る様にした。
「あ、ありがとう…」
「おぅ…////」
椿姫が出て直ぐ、八左ヱ門が屋上へと出ると少し冷たい風が
吹いていた。
「寒いね‥。少し…」
「そうだな…これからはもっと寒くなるしなぁ‥‥」
「こっち来いよ。」
少し冷たい風に当たる中、八左ヱ門は寒そうにしていた
椿姫を見て、風の当たらない場所へと誘導した。
「ここなら、少し寒くないだろ?」
「う…うん。」
八左ヱ門のその優しい扱いに椿姫は少し照れていた。
「優しいんだね。竹谷君…。」
今まで『苦手だと』言っていた相手なのに彼は自然と
心に入り込んできていることが歯がゆくも感じていた。
そう思ったら、自然とそう言葉が出ていた。それを聞いた
八左ヱ門は、少し照れながら「そんな事無いって///」と
言った。
「何か…不思議だね。前迄話した事無いのに…」
「そうだよな…でも、お前と話すの嫌じゃないよ。」
「え?」
「本当はさ‥‥俺、お前とずっと話したかったんだよ。」
八左ヱ門の言葉に椿姫は一瞬時が止まった様に思う程
驚いた。自分と同じだったのだと知ったからだ。
「私も…嫌じゃないよ?竹谷君と話すの…////」
「本当か?////」
「うん…。本当はね、ずっと仲良くしたかったの…////」
「俺も…だよ////」
2人はそう言い合って、照れながらも笑い合っていた。
「じゃあ、これからはもっと話そうぜ!!」
「うん!!」
2人はそう言いながら、昼食を摂りながら話し、楽しい昼休みを過ごした。