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すれ違い恋【竹谷八左ヱ門】

第1章 動物苦手な彼女と動物好きな彼


ー竹谷sideー

俺はいつでも、動物の世話とかそういう話を他の女子と
していたりしてる。

けど、俺には好きな子がいる…。
『神崎椿姫』‥‥。俺と違って、動物が大の苦手な子だけど、
笑顔が凄く可愛い子だ。
俺と同じクラスだという事がとても嬉しかった。

けど、他の女子の友達との会話が聞こえてきて
俺は正直ショックを受けた。

椿姫に好きな人がいて、その相手は俺の親友で
学校の人気者の『久々知兵助』だった。

兵助は凄く良い奴だという事を知っていたし、
俺も凄く仲が良かった。

だけど、ライバルが兵助だと知って、正直動揺している。
何故かと云うと、椿姫と兵助は幼馴染だからだ。

『幼馴染からの恋人関係』って結構可能性高いから、
俺が割って入れるような状態じゃないだろう。

俺は平然を装いながらも、椿姫と話せるチャンスを
ずっと伺い続けていた。

けど中々話しかけられない…。挨拶とかそれすらも
恥ずかしくて言えない…。況して、話すなんて無理だ。

椿姫はいつだって女子達と一緒に居る。
俺が話しかけたところで返答を返したくれないだろう。

「はぁ…どうすりゃいいんだよ…俺。」
教室の窓から校庭を眺めている俺。そんな俺を見兼ね
話しかけてくる奴が1人。

「八左ヱ門は意外に奥手なんだなぁ…。」
そう言うのは、椿姫の想い人の久々知兵助だ。

「お前にそこまで言われるのは何か癪に障る…」
「まぁまぁ。」
そう言って、片手に持っている豆乳を飲む兵助。

「そんなに好きなら、話してみれば?」
「それが出来ねぇからこうやって…!!」
俺は少しムキになって言い返そうとした。

「八左ヱ門の良い所を見せれば良いんじゃないか?」
「例えばどんなんだよ?」
「動物にだけじゃなくて、神崎さんにも優しい所を。」

こいつ…平然と言いやがるな…。俺がそれを出来ないのを
知っていて言ってる…。けど、それは良い案だと思った。

「兵助、お前はどうなんだよ?」
「どうって?」
「いや…その…」

そう俺が口籠っていると、兵助は『大丈夫じゃない?』と
返す。こいつは何もかもを見透かしているし…。

「まぁ、俺は陰ながら応援しているからさ。」
「蔭かよ!」
「じゃあ、頑張れよ!」

そう言い残して、兵助は俺一人を残し教室を去って行った。

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