第12章 多重人格 貴方side
「百瀬さん!!」
肩を掴まれて揺らされる
「目覚ましな!!!これ以上は壊れていくだけだよ!!」
ちがう…ちがう……みなみくんは…
「みなみくんは私と結婚するの!!!!私たちは結ばれるために今頑張ってるの!!!邪魔しないで!!!!」
「みなみくんは!!!百瀬さんのこと好きでもないんだよ!!!言ってただろ!!今の関係がいいって!!!!現実見ろよ!!!」
「そんなことない!!私は…私は!!!!」
みなみくんがいないと生きていけない…愛されてないと生きていけないの
「百瀬さん!!!!!」
「やだ…いや……離して!!!!みなみくん!!!!」
みなみくん助けて…みんながいたから言えなかったんだよね…?そうだよね、?
「みなみくん…みなみくん……いや、いやだ…いかないで」
「みなみくんは別の子の彼氏なんだよ。百瀬さんはただのセフレで大事にされてないんだよ」
「あは…ははは…」
「…なに…そんなに面白い?」
「みなみくんは私のこと好きなの。だって私たちは運命だから!!!結婚するって言ってくれた!私たちは結ばれるために今を生きてるの!みなみくんはアゲハの私も愛してくれるの!」
アゲハ私じゃないのに、大事にしてくれた
「みなみくんの願いを叶えるためにメイクもおしゃれも頑張った!!みなみくんの彼女にふさわしいのは私なの!!誰でもない私!!この私なの!!女の子だもん!魔法が使えちゃうの!!たくさんの人に愛される魔法をかけたの!!」
このメイクは愛される魔法だった。父親は愛してくれてる、だけどそばにいてくれない。ひとりが寂しいからみなみくんからの愛も欲しいから私ではない別人になって色んな人から愛されることを自分から望んだ。やめたくなったことたくさんあるけどでもそれ以上に私はこの姿に価値を感じたのも事実だった
「だから…みなみくんに彼女がいても関係ないの!!私は愛されたいから!!みなみくんの言葉を信じたいから!!!誰よりも必要とされたいから!!私は間違ってない!!!!!!」