第16章 魔法のかけ方
「カルマくんはどうよ、結婚した?」
「してないよ、してたらE組のグループに言うし」
「あーじゃあ彼女は?」
「いない、俺一途だからさ」
「ふーん、つまんなーい」
「てかほんと変わったね」
「海外じゃこれが普通よ〜」
「…カルマ、俺席外すわ。あとは2人で仲良くな」
「あ、ちょっみなみ!」
「明日の仕込みしてくるわ、ゆいな!迷惑かけんなよ」
「はいはーい」
「…で、なんでそうなってんの」
「……なんでだろうね」
カランコロンと氷が音を奏でる
「…これじゃさアゲハみたいだよね」
「まぁそうだね」
「ダメだなぁ私って…なんも変わってないのかな」
「そんなことはないと思うけど」
「みなみくんには嘘ついたんだけど私セフレいてさ、彼氏が冷たくなったからセフレに会って遊んでたりしたし仕事忙しい合間に彼氏優先しないで遊んだし……最低よね」
スマホの電源を落として机に頬をつけながら話す
「結婚もできないしほんとむりー!!私このまま孤独死とかむりー!!誰か私のこと好きになってよー!仕事だってうまくいかないし魔法ってなんだよー!!どうせ私は魔法使いになんてなれないんだ!魔法かけられないんだー!!!!!」
ポンポンと頭を撫でられて少し戸惑った
「え、」
「俺はさ好きだよ。魔法かけられてるじゃん。見た目も全然違うしそれに中学の時もすごかったし、俺は好きだよ。ゆいなの魔法」
「名前…」
「あ、ダメだった?」
「い、いいけど!!」
「…かわいいと思うよ、どんなゆいなも」
「カルマくん…」
「まあ遊んでたのは良くないけどねー」
「…ですよねー……」
なんか…変な感じ……ていうか今思えば卒業式ぶりだし…
「カルマくんってまだ私のこと好きだったりー?」
半分冗談で聞いた、あの日、あの日の彼を思い出したから聞きたくなった