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女の子は嘘と魔法でできている

第12章 多重人格 貴方side


「アゲハはかわいいね〜。また遊ぼうね〜」

この記憶が一切なかった。知らない誰かと別れた後はまた知らない誰かに声をかけられて着いていくことにした。惨めで哀れな私を慰めてっていう気持ちで

パシッ

「やめろ」

「…みなみくん……」

「あ?なんだお前」

「彼女は俺の知り合いです。すみません。もう行くぞ」

「あ、おい!!」

私の手を引いてみなみくんは走った

「なんで…」

「赤羽くん達が店に来たんだよ。なに心配かけることしてんだよ!!」

「ごめ…んなさい…」

「無事でよかった……事情はだいたい聞いた。ちゃんと2人で話そう。俺も嘘ついてたことあるからさ」

その“嘘”を聞くのが嫌だった、知りたくないから聞きたくないから、私は私を殺して嘘をはりつけた

「え〜?やーだ。なにも話すことないじゃん。今のままでよくない?」

「俺の前でアゲハにならなくてもいいから……じゃないな、俺がゆいなをおかしくしたんだよな。ごめん、ゆいな。お前が精神的にもおかしくなったのは俺の責任だ。本当にごめん」

「え、え?何言ってるの?精神?私はおかしくないよ?」

「ちがう、もう前のゆいなじゃなくなってる。ごめん…俺が…」

「ちがうって言ってるでしょ!!!!」
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