第11章 甘い匂い 貴方side
気がついた時には人の顔を見るのが怖くなった
百瀬ゆいなでいるのが怖かった、それと同時にアゲハでいるのにも苦しくなった、大好きな有希子といても上の空になって話してても有希子の目を見るのが怖くなった、指を刺されて悪く言われる、無意味な人生を歩んだ私を笑うんじゃないか、それが怖くて人の目を見るのが怖くてたまらなかった
「あ、え、うん…そ、うだね…え、と…あ、」
「ゆいな…?」
「な、なんでもない…あ、うん、そうだから、うん」
アゲハである時もうまく話せなかった、だけど百瀬ゆいなであるときよりは少しマシになった、なぜだかわからないけどアゲハでいる時は2人きりになれば今まで通りとまではいかないけど少し回復していた
「わぁ今日の部屋かわい〜」
「アゲハちゃんのために奮発したよ」
「わーうれしい…大好き〜」
何回か抱かれた後に自分の中で決意がかたまった、私がやるべきことはこういうことじゃない気がしたし触られるのも嫌になったからみなみくんに会いに行くしかなかった