第15章 真実 貴方side
「…1人になりたい」
1人で考える時間が欲しかった、突然のことで認めたくなかったから、1人校舎から離れた崖に座った
「百瀬さん」
「…殺せんせー。哀れだねぇ…何も知らなかったのは私で、みなみくんはずっと1人で抱え込んでて…なのに1人勝手に暴走して…私はひとりぼっちになっちゃった」
「会いたかった兄には会えましたよ。嬉しくないんですか?」
「……どうだろう、お兄ちゃんには会いたかったから嬉しいはずなんだけどさ」
「本当に好きなんですね、みなみくんのこと」
「…好きだった。世界に1人だけだった。たぶん私が1番愛してた。なんで私たちなんだろう。なんで私たちは結ばれないんだろう。結ばれちゃいけなかったのかなぁ、こんなに愛し合ってたのに」
みなみくんと過ごした時間は嘘だとは思えなかった。私とみなみくんの好きはきっと交わっていたはずだし…
「なのにさーあー!!もう!!ほんと惨めだあー!!」
寝転がった
「好きだよ…ずっと好き……兄妹じゃ嫌だよぉ…」
「……たくさん泣いていい。その分前を向きなさい」
「無理だよ…もう手遅れだよ。こんなの」
「まだ間に合いますよ。ここでたくさん学んでみんなで卒業して、君もやりたいことや夢を見つけて実現させましょう。恋愛はしばらく置いておいてみるのもいいんですから。まだたくさん可能性は残ってますよ。君ならできる」
「いい子じゃないよ、見捨ててくれた方が楽なんですけど…」
「知っています。それでもいい、君は私の生徒だ。見捨てたらなんかしません」
「本当におせっかいだなぁ、、はは…」
なんでこんなに泣かせるかな、私一生分泣いてる気がする
「ねぇ」
「はい」
「殺せんせー…私もやり直せるかな…こんな魔法使わなくても生きていけるかなぁ」
「なれますよ。その魔法も素敵な君の刃だ。使い方さえ変えればすばらしい武器になる。君の才能はいつか輝きますよ。使い方を学んでいきましょう。手伝いますよ最後まで」