第15章 真実 貴方side
「でも…いい子にしててもいいことなかった!お兄ちゃんは現れないしみなみくんとは別れちゃうし不運しかなかった!!がんばってもムダ、ムダなの!!お兄ちゃんがいるなんて嘘だったんだよ!!」
「嘘じゃないよ」
「み、みなみくん…?」
「ごめん。お前のお兄ちゃんは俺だ」
「は、?」
「俺ら腹違いの兄妹だったんだよ。今まで黙っててごめん」
「な、何言ってるの?私たち親違うじゃん…みなみくん落ち着いてよ」
みなみくんが兄妹なわけない、私たちは仮にも付き合ってたしお互い親がいるし
「…ゆいなは俺の父さんのおばさんの子でおじさんとは一切血は繋がってない」
「えっ……」
「あの時別れたのは俺がゆいなと兄妹って知ったからなんだ…嫌いになったとかじゃない、ただ俺たちは結ばれちゃいけない関係だったから…」
ポタポタ涙が溢れ出てきた、好きな人はお兄ちゃんで結ばれない悲しみ。でも小さい頃から会いたかったお兄ちゃんに会えて嬉しい。そんな気持ちが混じり合った
「ゆいな…?」
“みなみくんは本当にお兄ちゃんみたいね、ゆいなのことよろしくね。ゆいなもみなみくんと仲良くしてるのよ”
あぁそういうことか、ずっとお兄ちゃんはそばにいてくれたんだ。私が知らなかっただけで
「騙してたんだ、みんなして私を騙してたんだ」
「違う!!それは違う!!でも俺は本気で今からでもゆいなの兄として生きていきたいと思ってる」
「…私がずっとみなみくん好きなの知ってるくせに、ひどいよ。ひどすぎるよ」
「ごめん……だからゆいなには幸せになってほしい。それを兄として見守らせてほしい」