第14章 愛情不足 貴方side
大人っぽいドレスに身を包んで真っ赤なリップを塗る
「………」
「綺麗だよアゲハちゃん」
「……ありがとう」
「さあ行こうか」
「うん」
外に出れなくなってから初めの外で少しだけ怖かった気もしたけどそんな日も経ってないから何も変わってないことに気づいた
「今日はアゲハちゃんのお披露目会だからね」
「え?」
「さあどうぞ」
会場へ入ると囲まれた、私人気者、?愛されてる?
「この子が例の子か」
「ああそうだよ。いいだろう?」
「確かに価値ありそうだな」
「へぇその子かぁ〜」
お酒の匂い…くさいけど…愛されるなら我慢できる
「かわいい〜」
「大人っぽいね」
「あのおっさんで本当に満足できてる?俺の方がいいと思うよ。君かわいいしタイプだし。もっと愛してあげられるよ」
「…あ〜うん。証拠は?」
「証拠かぁ……おいで抜け出そう」
「は?」
「イイコトしてあげる」
「ちょっ…」
「アゲハちゃん、どこ行くんだい?その男は?」
「あ、えっと…」
「おっさん、俺にくださいよ。年齢的にも俺の方がお似合いですし」
「ククッ何を冗談を、この子はうちの大事な商品になるんだよ」
商品…え、?私って愛されてなかったの?あ、むり気持ち悪い
「ハァ…ハァ…あ…」
涙出てきそう…
「俺がもらいます。運命だと思ったんで。おっさんには渡せないっす」
「返しなさい」
「俺が買います。コイツは」
「…離して」
「え?」
「離して!!」
腕を振り払った、売る?買う?私はおもちゃでも人形でもない
「ほらアゲハちゃんが怖がってるだろ、こっちに来なさい」
「いや…私はもう貴方のところに戻らない、誰のところにも行かないから!!!」
人を押し退けて窓から抜け出そうとした
「怪我するぞ、ほら戻っておいで。君は輝ける」
「うるさいっ!!!あんたの愛なんていらないもう何もいらない!!!!」
誰も信じられない、信じたくもない。誰も私を愛してくれないんだ。私は愛されない子なんだ
窓から飛び降りた
「追うんだ!捕まえろ!大事な商品だ!!!」
商品になんてなってたまるか、私はそんな愛いらない