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数奇なえにし【NARUTO】

第1章 出会いのお話


「両目でもなんでもくれてやる」


「兄さん!」


「一度は死んだ身だ。それに、明日命尽きるんだろう?
惜しむ理由はない」


「明日だと!?」


「どういうことだってばよ!?」


「……うるさいガキども。
誰がそいつを延命してやってると?」


「地獄の瞳……あの世にも干渉できる力ってことなの?」


「その通り。すぐにでも見捨てることができる」


「こいつっ!」


「サスケ、今はそんな話はどうでもいい。
取引は成立だな?」


「……ええ、いいでしょう」


根負けしたとばかりに肩をすくめる。
実は彼も意外とお人好しなのではないだろうか。
そんなことを言えば機嫌を損ねるだろう。


「とはいっても、この目に刻まれている記憶は始まりだけ。
ハゴロモとハムラがどうやってカグヤを封印したのか、カグヤの力はどんなものなのか。
話せる内容はそれくらい」


「俺達にとっては有益な情報だ。頼む」


「……本当に目をくれるんですね?」


「二言はない」


「ふん……日本語は得意じゃない。
詳しい説明はできませんが」


「日本語ってなんだってばよ?」


『この言語は分かりますか?』


「え、今なんて言ったの?」


「母国語はイタリア語でね。
あなた達の言葉は不慣れなんです」


これも異世界人の証拠、とでも考えればいいだろうか。
那霧はつまらなさそうに話し始める。
質問をすれば、今回ばかりは面倒そうにしながらも答えてくれた。
自分が戦うよりマシだとでも思っているのだろうか。
時々奇妙な間があったり、言葉を考えるような仕草をしたりしたが、一通り話し終わる。


「こりゃ思った以上に厄介だね」


「一回倒せたんなら二回目も倒せるってばよ!」


「そんな単純な話じゃないでしょ。あの頃とは時代が違うんだし」


「その話、本当だろうな?」


「疑うなら結構。
慣れない言語で長々と説明してやったのに」


サスケと睨み合い、再び険悪な雰囲気になりかける。
彼が嘘を言っている可能性も否定はできないが、嘘をつくメリットもなさそうだ。
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