第1章 始まり
「とーる!岩ちゃん!」
「どうしたの?ゆいなちゃん」
「ん?」
「私もバレーやりたい!」
「「おぉ!!」」
「とーると岩ちゃんみたいになる!!」
「かわいい〜!!じゃあ俺達が教えてあげるね!ね!岩ちゃん!!」
「おう!ゆいなも一緒にやろうぜ!!」
今までは見ていただけだけど
いつの間にかその背中を追いかけたくてバレーボールを始めた
及川徹はよく私にかわいいと言って抱きつく癖があった
私も嬉しくてそれに甘えていた
「ゆいなはとーると岩ちゃんと結婚する!!」
「本当に?俺もゆいなちゃんと結婚する!」
「じゃあ俺も」
「やった!!ゆいなとーると岩ちゃんとずっと一緒なの嬉しい!!」
そして小学生にもなると
その待ち合わせた顔面偏差値と性格に女子からは大人気でファンクラブができるほどだった
幼馴染の私はいじめられた
「あんたが及川さんと仲良いとか調子乗ってる」
「媚び売りすぎw男好き」
「及川さんも、仕方なくあんたの面倒見てるの、ほんと可哀想」
「もう仲良くすんなよ嫌われてるんだから」
そんなつもりはなくて、ただ…ただ及川徹と岩泉一の後ろを追いかけて行きたかった
憧れの2人に追いつきたかっただけだったのに
「ゆいなちゃん?どーしたの?なんで泣いてるの?」
「うっうぇ…っとーる…ゆいなのこと嫌い?」
「嫌いなわけないでしょ!俺はゆいなちゃんのことだーいすきなんだよ!!」
「ほんと…?」
「うん!岩ちゃんも俺もゆいなちゃんのことだーいすきだよ!」
「嘘じゃない?」
「うん!!嘘じゃないよ!!どうしたの?誰かに言われた??」
「ゆいながとーると仲良いのダメって…男好きって…ゆいなはとーるに嫌がることしてるって」
「なにそれ!!俺そんなこと思ってないよ!!ゆいなちゃんと一緒にいるの好きだし!!ほらもう泣かないの!俺と岩ちゃんはゆいなちゃんの味方だよ!!」
「あ、及川がゆいな泣かせてる」
「ちがっ!俺そんなことしないよ!!」
「ゆいな!及川から守ってやるほら行くぞ」
「岩ちゃん!俺も仲間に入れてよ!!」
どんな時も味方でいてくれて笑顔にさせてくれる彼らが大好きでたまらなかった