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王様嫌いな彼女

第7章 トラウマ


〜過去回想〜

「オーライッ!」

ドッ

「「ナイスキー!!」」

これに勝てば全国制覇という大事な試合
もちろん百瀬はスタメンで予選からずっと試合に出続けていた

「すげーな!!」

「さっきの取れるとかやっぱり次元が違うね」

「まだ優勝してないから、これからだよ。絶対優勝するんだ!」

希望に満ち溢れていて試合を本気で楽しんでいたし
本気でやっていた、どの部員よりもロードワーク、自主練を怠らなかったのに決勝まで上り詰めて
急に、本当に急にボールが百瀬から遠ざかれる
それも仲間によって

「なぁなんかおかしくね?あれはリベロが取るやつだろ」

「わざと百瀬を押して転ばせたみたいだったよね」

試合中おかしなところがいくつか出てきた
しまいには

「オーライ!」

ボトッ

百瀬のあげたボールが床に落ちた

「なんだ今の!!」

「誰も触らなかった…」 

「今のは確実にとれるだろ!なにしてんだよ!」

「もしかしてわざと、?」

「なんでそんなことすんだよ!百瀬はなんもしてねーだろ!!」

「……まだ決まったわけじゃないから」

どんなに悪口言われても仲間を思ってボールをあげてきたのを知ってるからこそ怒りを覚えてきた

「お、オーライ!」

何回もあげるけど何回も落ちる
監督はもうダメだと思ったのか交代させた
百瀬は涙を流してコートから外れる

「おい!あんなのおかしいだろ!!」

「やっぱり百瀬をハブりたかったんだよ、だってもう元に戻ってる」

代わりのリベロはまだ一年生でまだまだ未熟でこんな大きな試合に出させるのは厳しいはずだ
監督も百瀬を出し続けるはずだったと思う
なのにこんな状態で勝てるわけもなくやむを得ず交代させたように見えた
女バレは確かに強い
だけど百瀬はずば抜けて上手かった
だからこそ百瀬が抜けて点はあっけなく取られて負けに終わった
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