DIABOLIK LOVERS-My blood-
第16章 血雫 16
す、凄い・・・
リムジンに乗った私が初めて思ったのはただそれだけだった。
何だか、此処に来てから其ればかりな気がするが、それもしょうがないと言えばしょうがない事。
私の記憶が正しいならば、勿論リムジンに乗ったことなんて無かったし、自室がホテルの様に豪華なんてことも無かった。
そんなこんなで私はとても感動していた。
・・・が。
「うぅっ・・・ぷ」
感動しすぎて、キョロキョロと辺りを元気いっぱいに見回していたら、もうお分かりだろうが・・・見事に酔ってしまった・・・
普段はこんなに興奮して酔うことは無かったから、酔い止めなんて気の利いた薬は持っていない。
どうしようかと周りを見れば・・・
長男は美しく寝ている。
次男は読書。
三つ子その1は偉そうにユイをいじっている。
三つ子その2は熊に向かってお喋り。
三つ子その3は・・・きもi((
末っ子は何か怒っている。
はぁ・・・。
こんな兄弟達を見ていれば自然と溜息も漏れてくるものだ。
何だか幸せも溜息と共に逃げて行っているのではないだろうか・・・とさえ思えてくる。
吐き気を必死に抑えながら、悩んでいると。
レイジさんがパタンと本を閉じ、アヤトくんが膝の上からユイを下ろし、カナトくんが縫いぐるみを両手で抱え、ライトくんが帽子を被り、スバルくんが舌打ちをした。
シュウさんは・・・起きない。
皆のこの行動が表しているのはつまり・・・もうそろそろ、学校に着く、ということだろう。