DIABOLIK LOVERS-My blood-
第13章 血雫 13
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”まあ、お前達がコイツを使う時には、既に俺のお古ってことになってるかも知れないけどなぁ?”
そんな、さらっと言ってのけた言葉なんて。
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連れて来られたのは、同じ様な沢山のドアが、等間隔で並んでいる廊下の、一番奥。
「…ここが、あんたの部屋。で、俺は隣。じゃあな」
チャリ、と私の手の上に何かを置いて行くと、シュウさんはまるで俺の役目はここまでだと言わんばかりに、大きな欠伸をしながら自分の部屋に入って行った。
手の上に置かれた物は鍵だった。銀色の、小さめの鍵。恐らくは、この部屋のだろう。案の定、ゆっくりと鍵穴に差し込み回せば、カチャリ、と音を立ててドアが開く。
なんだか、ちょっと高級なホテルに来た気分。
中に入って、内側から鍵をかける。…一応、用心のつもりだが…果たして、彼らにこんな鍵などが通用するのだろうか……。
取り敢えず、部屋を見渡してみる。
大きなふかふかのベットに、綺麗な木の机。短い階段を上って、奥のウォーキングクローゼットに、天井からぶら下がる、豪華だけど上品なシャンデリア。まだ何も無い本棚と、個人用のお風呂、トイレ。
「す、凄………っ!本当にホテルみたい…」
一通り部屋の中を探りまくる。やっと落ち着いて、先に部屋に置いてあった荷物の中から、何時も机の上に置いていた写真達を取り出し、本棚の真ん中に飾る。
ユイと2人で写っているもの、赤ちゃんの時の私、小森さんとユイと私、そして…エド兄。
こんなの飾ってるのをシュウさんに見られたら、また色々言われちゃうかな。
「写真なんか、何の意味が有るんだ」…って。
少し、笑える。どうして此処でシュウさんが出てきたのか不思議で。しかも罵倒されるところを想像してしまうなんて。
クスリ。
自然と、私の顔にはほんの少し笑みが広がった。