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DIABOLIK LOVERS-My blood-

第12章 血雫 12


「私は…あの、えっと…その…しゅ、シュウさん?に…お、お願いしたいです…」

いざ言おうとすると、結構かみかみになってしまう。しかしちゃんと日本語としては成立している様なので通じることは通じた。

「……はぁ?俺?…………めんどくさ…」

まぁこの反応である(大体予測はついていたが)。
本人さんがこの反応なので、周りの反応など良いわけがない。ただでさえ仲が悪い兄弟なのだから。

「なっ……!この穀潰しを選ぶなどと……!止めておきなさい、後悔しますよ!」

寧ろ…めんどくさがりで穀潰しだと言うから私は選んだ。寝ること以外には特に積極的なわけでも無さそうだと思ったから。私にも興味が無いなら、きっと解放してくれる筈…そう踏んだ結果。

「ふぅん…あんた、俺を選んだんだ…まあいい…おい、お前ら。」

何だかんだ言いつつ納得してくれたみたいだったので交渉成立。しかしこの後、彼の口から発せられた言葉に私の不安は更に積もってしまう。

「コイツに手は……ふん。勝手にしろ……」

え。
おいおい勝手にしろって。
駄目だろおい。

「まあ、お前達がコイツを使う時には既に俺のお古ってことになってるかも知れないけどなぁ?」

そう言い残してすたすたと歩き始める。

「あんた…何ボサッとしてんの?来いよ…部屋、教えてやるから」

「あっ!ちょ、シュウさん待って下さい…」

急いでバックを持って着いていこうとしたが、そのバックが見当たらない。キョロキョロと周辺を探していると、また罵倒された。

「あんた…何?バックならじいやが既に部屋に持って行ってる。さっさと行くぞ…ノロマ。」

「うぅ…す、すみません…」

個人としては、ユイが間違った選択をしないように、誰を選ぶか隣で見てていたかったんだけど、せっかく納得してくれたこの人の気を悪くしてまた罵られる、なんて事にはしたくもないので取り敢えず着いていく。

それに…ユイだって、自分の血を吸われる人くらい、自分で選べるだろう。そもそも、彼女が言い出したことだし……。

前を向けば、長い廊下の先に、大分小さくなってしまったシュウさんの背中。急いで追いつかないと。

はあ、もう初日から…大変な事ばっかりだ。

大変過ぎて…シュウさんのさっきの言葉なんて、すぐに忘れてしまっていた。
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