DIABOLIK LOVERS-My blood-
第11章 血雫 11
「わ…私達だって、血を吸われる相手くらいは、自分で決めたい!!!」
暫くの沈黙…そして私は気付く。
彼女は、何とか時間を稼ごうと考えたが、そんなに長い思考時間を与えられた訳でもない。そこで取り敢えず何でも良いから……と、咄嗟に彼女の口から発せられた言葉が、さっきのやつだった…という事に。
何故それに気付いたか。
それは……彼女が、青ざめた顔に歪んだ笑みを浮かべ、冷や汗をダラダラ流していたから。
「ほう…男を選ぶなんて……随分な高級娼婦気取りですねえ……。」
「いいんじゃねぇか、やらせれば」
「おっ!?珍しくスバルがやる気じゃねえか」
「どうでもいい、さっさとこの茶番を終わらせてくれ…」
好き勝手に言い合う彼らはさておき、ガガガガガッと、ロボットのような動きで此方を見る、ユイ。
(ど、どどどどどうしようっ!?)
彼女の瞳はそう訴えていた。だが…この人たち相手に、前言撤回する事は……極めて、難しいだろう。
つまりは……選ばなくてはいけない……そういうことになる。
ユイを見ると、まだ青ざめた顔で、今にも泣き出しそうだった。自分が言い出した事だけれど…どうしよう、後のこと考えてなかった……なんて、思っているのだろう。
そんな彼女に、落ち着かせる為の時間を、少し…ほんの少しだけれど、作る事にした。
そう…私が先に誰にするのかを選ぶ。
「ユイ…私、先に決めてもいいかな?」
振り返れば、顔を一生懸命縦に振りまくるユイ。それ、気分悪くならないのかと、つい余計な心配までしてしまう私。
「はぁ…めんどくせえ…さっさと決めろってんだ…うぜぇ」
「そうですよ…僕は待たされるのが大嫌いなんですから…早くしてください…ねぇ?テディ?僕達を選ばなかったら、後で2人でこいつらを八つ裂きにしようね…?」
「まぁまぁ…今ビッチちゃん達は大変な場面に直面してるんだからさぁ~?も少し待ってあげようよ、ね?」
取り敢えず、まだ好き勝手言い合っている彼らに向き直り、ふっと1つ息を吐く。