第17章 東京卍リベンジャーズ・佐藤龍星&菱小次楼
俯いた傷だらけの横顔が
とても寂しそうで
私は
私の知らない制服を着て、友達と笑い合っていた龍星の姿を思い出した
『………………小…次楼は……" 龍星が目を覚まして…四ツ谷に帰ってきた " って、言ってたよ…』
「……」
『…ねぇ……本当に…それでいいの?………新しい居場所……見つけたんじゃないの?』
私の問いに
龍星は苦しげに顔を歪めた
『……私ね…………見たんだ………渋谷で、龍星が友達と一緒にいる所。…………っ……居なくなる前の龍星は……ずっと辛そうだった。………龍星があんな風に笑うこと……私…いつの間にか忘れてたの。………そのことに気が付いた時………すごく…苦しかった…』
「……レイナ…」
『…………今の龍星も……前と同じように…辛そうな顔してる…』
「……」
『………逃げたって、いいんだよ…?……龍星が笑顔で居られる場所があるなら……………こ、小次楼の…ことは………私が…何とか説得してみる。………私の言うことなんか聞いてくれないかも知れないけど………でも……時間かけてでも…分かってもらえるように、頑張ってみるから…』
「……」
『………私………龍星には笑ってて欲しいの…………っ…もちろん……小次楼にも…笑顔でいて欲しいよ………だけど、こんなやり方…』
「レイナ」
龍星は遮るように私の名前を呼んだ
頬に手をあて
こぼれてしまった涙を親指で拭ってくれる
「………ありがとな…」
『……』
「……でも…オレはもう絶対に逃げたりしねぇ。……小次楼が堕ちていくのを…オレには止められなかったとしても……それがアイツの選ぶ道なら…一緒にいくよ」
『………龍…星…』
「………っ……そんな心配そうな顔すんなって。…いざという時は…オレがちゃんとアイツのこと守るから」
『……』
「……小次楼から逃げたまんまじゃ…心の底からは笑えねーんだよ。…………オレ……やっぱ、オマエらと一緒に笑いたいからさ」
龍星はそう言うと
私を安心させるように優しく微笑んでくれた…