第17章 東京卍リベンジャーズ・佐藤龍星&菱小次楼
『……あんな制服、知らない。……一緒に居たふたりも…私が知らない人だった…………なのに龍星は…その人達と楽しそうに笑ってた…』
「……」
『……………本当に…龍星は変わっちゃったんだね…』
(……前に小次楼が言ってたとおり……もういくら待っててもムダなんだ…)
彼のTシャツの裾を握りしめる
その手が震えているのが自分でも分かった
「……………ずっと外に居て寒かっただろ………ホラ…中、入ろうぜ…」
小次楼は靴を脱ぐと、私の手を引いて部屋の奥へと連れていく
敷きっぱなしの布団の上に私を座らせ、掛け布団を2人の肩から掛けた
「…震えてるぞ………大丈夫かよ…」
指先まで冷え切っている私の手を両手で包むようにして、優しくさすってくれる
そんな彼の指が私と同じくらい冷たくて、胸が苦しくなった
「……レイナ……もう少しだけ待っててくれ………龍星は…オレが必ず連れ戻す…」
『……』
「…ちゃんと会って言い聞かせれば…アイツだって分かってく…」
『いいよ、もう』
私は小次楼の言葉を遮った
彼の首に腕を回し、瞳の奥を覗き込む
『………私は……小次楼が側に居てくれたら…それだけでいい…』
唇を押し付けるようにキスして、ゆっくりと離れる
もう一度目を合わせた時
彼の瞳が微かに揺れたのが分かった
『……小次楼…』
名前を呼びながら何度か啄んで、唇の隙間に舌を差し込む
私から深いキスをしたのは初めてだった
舌先を探るように動かして、彼の滑らかな舌に絡めると
小次楼は私のキスにこたえてくれた
水音と吐息を聞きながら夢中で舌を絡め合う
彼の手が背中に回るのを感じた次の瞬間、私は布団の上に押し倒されていた…