第17章 東京卍リベンジャーズ・佐藤龍星&菱小次楼
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───────4月────
中学生になってからも、私の生活はそれほど変わりはしなかった
小次楼は「毎日泊まりに来い」とよく言っていたけれど
チームが大きくなるにつれ、彼自身が家に帰って来ることが極端に少なくなってきて
そうなると、私だけがあの部屋で生活しているのもおかしな話なので
私は大体週の半分くらい、主に週末の夜を小次楼の部屋で過ごし、他の半分は自宅に帰っていた
あまり真面目に学校へ通うこともないまま1ヶ月が過ぎた、ある日
私はひとりで渋谷へ買い物に行った
道玄坂を歩いている時、賑やかな話し声にふと目を向けると
制服姿の3人組が向かい側の通りを歩いているのが見えた
『……っ…』
長い黒髪の男の子と、金髪で刈り上げの男の子
ふたりの間に居るひときわ背の高い人物に目を奪われ、足を止める
それは
私の知らない制服を着た龍星だった
彼は同級生らしき2人ととても仲良さそうに話をしながら歩いていく
龍星の楽しそうな笑顔を久しぶりに見た私は、心臓を握りつぶされたような痛みを感じた