第17章 東京卍リベンジャーズ・佐藤龍星&菱小次楼
あの日以来
私と2人との絆は、確実に深まった
私は、自分が思っていたよりもずっと
彼らに必要とされていたことを知り
そして
自分が思っていたよりもずっと、彼らを愛していることも自覚した
" 2人とも、大好き "
想いを告げた次の日から、2人は私にキスやハグなどのスキンシップを取ってくるようになった
いつものように3人並んで眠っている時
頬にくすぐったいものを感じて目を開けると、肘をついて上半身を起こした小次楼が、指の背で私の頬を撫でていた
『…ん……小次楼?……眠れないの?』
「……」
何も言わない小次楼に、私は『…いま何時?』と聞いた
「……分かんね……2時くらい?」
『…外……また雨降ってるね』
いつの間に梅雨に入ったのか
ここの所ずっと雨の日が続いていた
「………レイナ…」
『……ん?』
顔を向けた瞬間、小次楼が私の唇を塞ぐ
フニフニと押し当てるようにして優しく啄んだ後、あたたかな舌が入ってきた
『……ん…』
軽く舌先を擦り合わせる
小次楼は、こんなキスを最近よくしてきた
甘い唾液が流れ込んできて、何も考えられなくなってしまいそうになる
小次楼が覆い被さるように身体を近付けようとした時、不意に左手を握られた
掛け布団の下で、ゆっくりと指を絡めてくる
『……っ…』
龍星が起きていると分かった私が視線を左隣にやると、彼は私達に背中を向けていた
「……」
私が龍星を気にしていることに気が付いて唇を離した小次楼は
ひとつ小さく息をつき、ゴロリと身体を横たえた
甘えるように私の右肩に額を擦り付ける
そうしているうちに、彼はいつの間にか眠ってしまった
シトシトという雨音に混じって小次楼の寝息が聞こえてくると、龍星が寝返りをうってこちらを向いた
あごをクイと引かれ、唇を塞がれる
舌を絡ませるような深いキス
こんなキスを1番最初にしてきたのは、龍星のほうだったと思う
『……っ…ん………んぅ……』
ピチャピチャと水音が響いて、小次楼が目を覚ましてしまうんじゃないかと思ったけれど
龍星はキスをやめなかった
口の端から溢れた唾液が、首筋を伝い落ちていく
私の耳に
もう雨音は聞こえなくなっていた…