第17章 東京卍リベンジャーズ・佐藤龍星&菱小次楼
チュッ
気配が離れたので恐る恐る目を開けると
私のファーストキスを奪った男が瞳をキラキラさせていた
「おーー……スゲェ………こんな感じなんだ…」
小次楼はひとり言のようにそう呟くと「オマエもやってみろよ」と、龍星と場所を変わった
「ぇえっ⁈オレも?」
「あったり前だろ!いいよな、レイナ?」
『……ぇ?………ぇ?…』
「……ホントに…いいのか?」
さっきからの怒涛の展開に頭がついていけないながらも、龍星だけを拒むのも何だかおかしいような気がして、思わず頷いてしまった
「…マジかよ…」
龍星はゴクリと唾を飲み込むと
私の両肩に手を添え、口元を見つめながら顔を近付けてきた
伏し目がちなその表情がなんだか大人っぽく感じて、思わずドキッとしてしまう
ゆっくりと押し付けるように唇を重ねた後、3秒くらいしてからそっと離れていった
チュ…
『……』
龍星の視線がゆっくりと上がって
5センチ位の距離で見つめ合う
心臓がドキドキして
息の仕方も分からなくなったみたいに、私は固まってしまった
「…なんか、龍星だけ長くね?…ズリィからもー1回な」
言葉の意味を理解する間もなく
小次楼のどアップが目の前にグイと割り込んできたと思うと、また唇を塞がれる
『…っん……んー…』
我に返ってもがいても、片手で後頭部をおさえられて逃げる事ができなかった
感触を確かめるように何度か啄んでから、名残惜しそうに離れていく
「…プハッ…………レイナ…コレ、息どーやってするんだ?」
『……っ…』
私は小次楼を睨みつけ、力一杯身体を押し返して立ち上がった
『知らないって言ってるでしょ‼︎小次楼のバカ‼︎』
驚いたような顔をしている2人に背を向けて
そのまま玄関へ行くと、裸足で外へ飛び出した