第17章 東京卍リベンジャーズ・佐藤龍星&菱小次楼
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「…なぁレイナ〜……オマエ、セックスした事ある?」
何の脈絡も無く尋ねられたので、何かの聞き間違いかと思った
ある夜、いつものように私の作った晩ごはんをみんなで食べた後
交代で風呂に入り終え、マンガ雑誌を見ている2人の隣で携帯のメールをチェックしていた時だった
『…………へ?』
よく分からずに聞き返すと、小次楼がもう一度言った
「セックスだよ。ヤった事あるかって聞いてんの」
手に持っていた雑誌の開いたページをこちらへ向ける
そこには、男女が明らかにヤっているシーンが描かれていた
『……っ…そんなの………ある訳無いでしょ…』
動揺してると思われるのもカッコ悪いので、なるべく冷静な口調で答える
「そっかー。…オマエ、オレんとこ泊まりに来るようになる前まで女友達とよく夜遊びとかしてたからさぁ……そーゆーの、もう経験してんのかと思ってた」
『……はぁ⁇』
「…なぁなぁ、んじゃキスは?した事あるか?」
キスだって、もちろんした事なんかなかったけど
ズケズケと聞いてくる小次楼に少しカチンときた私は『知らない』と返事をした
「いーじゃん。教えろよ〜」
『ヤダ!答えたくない』
私が少し強い口調で言い返すと小次楼はニヤニヤしながら「へぇ〜。そんなムキになるって事は、あるんだな」と言ってきた
『…っ……な、何でそうなるのよ』
「いーっていーって。言わなくても分かったから」
『もう、小次楼!』
背中を叩こうと腕を振り上げると、手首を掴まれてしまう
「レイナ、オレとキスしよーゼ♪」
『………ぇ…?』
「初めてじゃないなら、いーだろ?…ホラ、目ぇつぶれ…」
言いながら小次楼はどんどん顔を近付けてきて
驚いて目を閉じた次の瞬間、唇に柔らかいものが触れた