第17章 東京卍リベンジャーズ・佐藤龍星&菱小次楼
その日から私は
度々、小次楼の家に泊めてもらうようになった
小次楼の親は、いつ行っても姿を見かけることすら無くて
私はそれをいいことに台所を借りて食事を作ったり、3人の洗濯物をまとめて洗ったりして
共同生活の真似事をすることに密かな喜びを感じていた
「レイナ〜。そろそろ小次楼起こして飯にしよーぜ」
『あ。先にコレ干しちゃうから、もう少し待ってて』
物干し竿に引っ掛けたピンチハンガーに靴下をとめていると、龍星が隣にやってきた
「あと、こんだけか?」
『ウン』
私達は手分けしてカゴの中にある洗濯物を次々に干していく
「……なんか…改めて見ると……小次楼のパンツって派手なのばっかだな…」
そんな事をしみじみと呟く龍星が可笑しくて
笑いをかみ殺しながらTシャツをハンガーに掛けた
「ホラ、見てみろよレイナ。これだってスゲー派手なピン…ク…」
『…?…』
突然途切れた言葉に、どうしたのかと思ってそちらを向くと、龍星が私の下着を両手で広げたまま固まっていた
『……っっ…』
私はひったくるように彼の手から下着を奪うと、代わりに持っていたTシャツを差し出す
「……」
龍星は何も言わずにそのTシャツを受け取り、窓から身体を乗り出してハンガーを竿に引っ掛けた
色黒の龍星の頬が微かに染まっている
きっと私はそれ以上に真っ赤になっているのだろうと思うと、余計に顔に熱が集まってきた
私は他の洗濯物の陰になるように自分の下着をピンチで止めると
洗濯カゴを漁って、ブラジャーの方を探した
「………………プフッ……」
30秒程の沈黙の後、龍星が突然吹き出すと、我慢の限界だった私も堪えきれず笑ってしまう