第16章 東京卍リベンジャーズ・佐野万次郎
" 不良[オレら]の世界は不良[オレら]の中だけで片付ける "
" 一般人に被害出しちゃダメだ "
以前そんな言葉で諭してくれたケンチンは
" オマエがいてなんでこうなる? "
" みんなを守る為に東卍創ったんじゃねぇのかよ!⁉︎ "
そう言って、俺を何度も殴った
思えば " 稀咲を東卍に入れたい " と幹部会で初めて伝えた時
「アイツは裏がありそうで気に入らない」とケンチンは真っ先に反対していた
場地や三ツ谷からも反対されたが
稀咲の力を欲していたあの時の俺は、奴を東卍に引き入れ
参番隊の隊長に置いたのだった
(…ケンチン達の言うことをきいていたら…こんな結果にはならなかったのだろうか…)
取り返しのつかない選択をした過去を呪い、うなだれていた俺に《タイムリープ》の話を打ち明けたのは
タケミっちの彼女のヒナちゃんだった
もちろん、すぐには信じられなかった
けれど
心のどこかでずっと違和感を感じていたタケミっちの今までの言動の数々を思い返し
タイムリープの力を当てはめて考え直すと、全てが腑に落ちることばかりだった
後に
関東事変と呼ばれることになるこの抗争は
天竺幹部5名の逮捕と
エマとイザナ、稀咲の死で幕を閉じた
タイムリープの能力の存在を受け入れた俺は
抗争が終わった2週間後の3月8日
タケミっちを呼び出し、これまでのことを話して欲しいと頼んだ
そして、全てを聞いた夜
俺は
独断で東卍を解散させた