第16章 東京卍リベンジャーズ・佐野万次郎
「当たり前だろ。…千冬は東卍に必要な存在だ…」
「……でも、アイツ…相当覚悟決まってたぞ」
「………分かってる。……それでも……何日かかっても、必ず引き止める」
「…そうか………頼んだぞ」
「オゥ」
そこまで話すと、ケンチンは話題を変えた
「……マイキー……さっき、レイナのこと送ってったけどよぉ……アイツ大丈夫だったか?」
「………ぇ…」
「斎場で会った時、スゲー顔色悪かったからよ………クマも酷かったし…………場地が亡くなった日から、ずっと眠れてないらしいって…千冬も心配してた…」
「……」
「……レイナ…やっぱりアイツのことが好きだったんだろうな……………オレなんか側から見てただけだけど……それでも、場地がレイナに惚れてたのはバレバレだったし……レイナにとっても…アイツは " 特別な存在 " だっただろうしよ…」
ケンチンの言葉に
安堵を感じていた胸が、再びザワつきだす
「…………あぁ………そう、だよな…」
俺の返事を聞いて
ケンチンは一瞬黙った
「……なぁ……マイキー……………っ…もしかして、今……………………いや……何でもねぇ…」
そこまで言うと
早口で取り繕うような言葉を並べ、ケンチンは電話を切ってしまった
「……」
液晶の時間を確認すると
pm 9:00を少し過ぎていた
『………ん………万次郎……誰かと話してた…?』
「…あぁ。…ケンチンから電話があった…」
『……そう………私…寝ちゃったんだね……ゴメン…』
「大丈夫だよ。…オレも寝てた」
フッと柔らかく微笑んだレイナの髪を
指先ですくって耳にかける
「……少しは眠れたか?」
『…ウン。……久しぶりに深く眠った気がする…』
「…………そっか…」
レイナはベッドに肘をつくと
ゆっくり体を起こした