第10章 東京卍リベンジャーズ・三ツ谷隆
妹たちの遊びを切り上げ
マイキーとドラケンも連れてアパートへ帰ると
オレとレイナは晩飯の支度にかかった
ハンバーグと味噌汁とサラダ
マイキーのリクエストでケチャップライスまで作ってやると
ルナは「おたんじょうびみたい♪」と嬉しそうに言った
狭いちゃぶ台を囲んでワイワイ食べる晩飯は楽しかったけれど
オレの心の隅には、公園でのマイキーの言葉がずっと引っかかっていた
レイナは自覚していないみたいだったが
彼女が同じ学校の男共の間で結構人気があることは知っていた
けれど
自分とレイナとの仲に横から割り込んで来られる奴など誰も居ないだろうという根拠の無い自信があったオレは、今までそんな事はあまり気にしていなかった
そんな身勝手な思い込みを
今日、マイキーはあっさり打ち砕いた
" 付き合ってねーんだったらオレがもらっていい?"
一緒に居るのがいつの間にか当たり前のようになっていて
レイナと付き合うなんて改まったことは考えてもいなかったくせに
あんな風に言われた時
思わずムキになってダメだと答えてしまった
飯の後、すぐにスヤスヤと眠ってしまったマイキーのことを
ドラケンはおぶって帰って行った
妹たちを風呂に入れたり寝かしつけたりしているうちに
アッという間に時間は pm9:00を過ぎ
話したいことを話せないまま
オレはいつものように隣の部屋のドアの前まで彼女を送っていった
「…今日は疲れたろ……ゴメンな…ダチの飯の世話までさせちまって…」
『大丈夫♪…隆の話に出てくる友達と実際に会えて嬉しかった』
「…そうか?……いつもありがとな…」
『…ウン……それじゃあ…また明日ね…』
レイナは微笑んでそう言うと
部屋のドアを開けようとした
「……ぁ…」
『…ん?……どしたの…』
「……いや…」
『…?…』
首を傾げたまま、視線で問いかけられて
オレはおずおずと口を開いた
「……なぁ…………レイナにとってさぁ………オレ…って…何?」
突然そんな事を聞かれ
レイナはとても驚いたようだった
『……な…っ………はぁ⁇……何って何⁇急に何⁈』
「…ちょっ……オマエ…」
オレは彼女の口を手で塞ぐと
慌てて部屋のドアを開け、一緒に中へ入った