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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第10章 東京卍リベンジャーズ・三ツ谷隆




「……」

『……………どぉ…?』

「…………んー………何か……ホッとする…」

『……フフ………でしょ?』

「……」

『………隆………………ホッとしたくなった時は…いつでも寄りかかっていいからね…』


オレは身体を起こして彼女の方を向いた


「……オマエ……何で今日はそんなことばっか言ってんの…」

『……』

「……………もしかして………今朝のアレ…聞こえてた?」


気まずそうな顔をした彼女を見て
観念したオレは大きなため息をついた



──────────


昨日
オレは生まれて初めて家出をした


何もかも嫌になって出てきたはずなのに
黙って置いてきた妹たちのことがずっと気になって仕方なかった

けれど
元の生活に戻りたくない気持ちもあって
現実逃避をしたままズルズルと時間を過ごしてしまった


朝になって家に帰ると
母親に思いきりぶん殴られた

その後
母親はオレを抱きしめて
"いつもごめんね" と言って泣いたのだった




────────────




「……オレ………ダセェよな…」

『…そんなことないよ』

「ダセェだろ………オレ…兄貴なのにさ……マジで格好悪ぃ…」


自分のせいで母親を泣かせてしまったことを思い出し
不甲斐なさに落ち込むオレの身体を
レイナは強く抱きしめた


『隆はダサくなんかない』

「……っ…」

『…隆は…格好いいお兄ちゃんだよ…』

「……」

『………でも…私には……ダサい所もいっぱい見せて欲しいんだ…』


レイナの声と体温が
身体に染み込んでくる


『………隆…………私の前だけでは…いいお兄ちゃんになろうとしないで………そのままの隆でいてよ…』

「………レイナ…」


レイナは身体を離すと
目を細めてそっと微笑んだ






熱い雫がポロポロとこぼれ落ちて
オレは自分が泣いていることに気が付いた


涙の跡を拭うように彼女の指が頬をなぞった
次の瞬間
唇に柔らかいものが触れた










レイナがくれた初めてのキスは

少ししょっぱくて




でも

とても優しい味がした










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