第10章 東京卍リベンジャーズ・三ツ谷隆
その日からレイナとの仲は急速に深まり
オレ達は食費を出し合って食材を仕入れ
ウチの台所で一緒に晩飯を作るようになった
テキトーに材料を切って炒めるだけだった俺に
味付けの仕方や調理のコツを教えてくれたのも彼女だった
夕飯の片付けを終えた後も
「まだ帰らないで」とせがむルナに付き合って遊んでくれ
夜、眠るまで側にいてくれることもあった
『…ルナ、疲れてたのかな…絵本読んでる途中で寝ちゃった…』
「……今日、特にはしゃいでたからな……寝かしつけまでやらせちまって…悪かったな…」
『…そんなの気にしないでよ……マナは?』
「…ミルク飲ませたら寝ちまった」
オレはマナをルナの隣に寝かせ
部屋の電気を消した
隣の部屋の常夜灯が
ふたりの寝顔をぼんやりと照らす
『……フフ……かわいいね…』
レイナはそう言うと
目を細めて微笑んだ
『……ねぇ隆……こないだのぬいぐるみ…どこまでできた?』
「あー…ほとんど出来たよ。後はシッポつけるだけ」
『見せて見せて♪』
「んー」
2人が眠っている布団のある場所と
薄いカーテン一枚で仕切った空間がオレの部屋だった
窓際の壁に寄りかかるように並んで座り
電気を点けるわけにもいかないので
月明かりを頼りに手作りのうさぎのぬいぐるみを取り出して彼女に見せた
『うわぁ〜ホントに出来てる!』
ルナとマナを起こさないようにと
レイナは小声で興奮していた
『すごいよ隆!めちゃめちゃカワイイじゃん』
「そーか?初めて作ったから…縫い目とか結構ガタガタだぞ」
『全然大丈夫!2人とも絶対喜ぶよ♪』
「…へへ…そーかな…」
貧乏でろくにおもちゃも買って貰えないルナとマナの為にと
古着の布を使って作ったぬいぐるみだったけれど
レイナからこんな風に褒められると
くすぐったいような
とても誇らしいような気持ちになった