第7章 東京卍リベンジャーズ・三途春千夜
教会を出て、車を停めてきた場所の様子を見てみようと歩いている途中
妙な気配を感じた
離れた所から伺うと
周りに複数の黒い車が停まっているのが確認できた
オレは彼女の手を引き急いでコテージへと戻った
スーツケースを手に早足で森を抜ける
車通りに出て、通りかかったバスを停め
頼み込んで駅まで乗せてもらった
(……こんなに早く見つかるとはな……)
カメラをハッキングして追跡したのだろう
梵天の組織力を改めて実感した
駅から電車を乗り継いで大きな駅へ出る
人混みに紛れると少しは安心できた
オレたちは新幹線のチケットを取って、そのまま東京駅へと向かった
「……大丈夫……計画が少し早まっただけだ…」
レイナに地下街の喫茶店で待つように言って
オレはタクシーで新橋へ向うと、金を払えば何でもする便利屋と会った
手配を頼んでおいたチケットを2枚受け取り、喫茶店へ戻ると
今にも泣き出しそうな顔をしたレイナが待っていた
『……もう……帰って来ないかと思った…』
「…そんな訳ねぇだろ……もっとオレを信じろよ…」
『………ゴメン…』
赤くなった鼻を摘むといつもの笑顔に戻った
オレたちは喫茶店を後にし、手を繋いで改札へと向かった
けれど
改札の周りには既に梵天の連中がうろついていた
「……やっぱりこうなったか………仕方ねぇ…」
レイナの腕を引いてUターンすると、オレは外のバス乗り場へと急いだ