第7章 東京卍リベンジャーズ・三途春千夜
その夜は
買ってきた食材で彼女が料理を作ってくれた
初めて食べたレイナの手料理は
どれもとても美味かった
一緒に食器を片付け
風呂に入り
暖炉を見つめながら語り合った
2人きりの穏やかな時間が
ゆっくりと過ぎていく
夜も更けた頃
明日は近くを散歩しようと約束して
オレたちは
向かいあわせに抱きしめ合いながら眠った
翌朝は
約束通り森を散歩した
朝靄の中を歩いていると
小さな教会を見つけた
中へ入ると
人の気配は無い
『……素敵な教会だね…』
「……」
オレはレイナの手を引き
奥へと進んだ
『………ハル……どうしたの?』
聖壇の前へ行き
ポケットから指輪を出して彼女の左手の薬指にはめる
『………ぇ……』
「…いつ渡そうかと思ってたが…ちょうどいい………オレの気持ちだ…」
『………気持ち……って……………こんなに大きなダイヤ………まさか…本物じゃないよね⁇』
「……さあな…」
『…ちょっとハル⁈………もぉ…………でも……すごく嬉しいよ…………私にとっては…どんな宝石よりも綺麗…』
2日前
オレは、自分の動かせるカネを全て引き出した
大量の札束を持ち歩くわけにはいかないため
現金を五千万だけ手元に残し
残りは金のインゴットとこの指輪に変えた
おもちゃのような大きさのダイヤを見つめて
レイナは幸せそうに笑った
『……ハル………一生大切にするね…』
そして
オレたちは
十字架の前で永遠の愛を誓った