第7章 東京卍リベンジャーズ・三途春千夜
それからまた2ヶ月ほど経った頃
夜、事務所に居ると蘭が声を掛けてきた
「…なぁ三途〜…オレ、これからどこ行くと思う?」
「知るか」
「レイナちゃんとこだよ」
「は?」
「…鶴蝶がマイキーの付き添いで遠征だろ?……だから…今夜はオレが担当♪……ホントは竜胆が頼まれたんだけど…代わってもらった〜」
ウキウキとはしゃぐオッサンの姿を見て
顔をしかめていると
不意に蘭が言った
「オマエも行くか?」
「は⁇」
「あ、行きたくねーの?…だったら別にオレひとりで行くけど?」
「………………ハァ…………行ってやんよ。……オマエがおかしな事しでかさねぇよーに監視しててやる」
約半年ぶりに訪れたマンション
蘭の認証で中へ入ると
そこは人の気配が無いように静かだった
寝室のドアの前で蘭が立ち止まる
「……レイナちゃん…ずっと元気ないんだ……オレと竜胆がたまに会いに行っても…あんまり喋ってくんねー…」
「……」
「……鶴蝶が言ってた……" マイキーが居なくなると、レイナが『ハルに会いたい』って泣いて頼むんだ " って…」
「……っ…」
ドアを開けると
ベッドに横たわり点滴を受けるレイナの姿があった
「……………な…んだよ……これ……」
「……食事が喉を通らないから……こうするしかないんだと…」
ベットサイドにかけ寄ると
レイナが薄く目を開けた
『……ハ…ル…?』
伸ばされた腕を取ると
彼女は身体を起こし
弱々しく抱きついてきた
『………ハル………会いたかった…』
健康的だったレイナの姿など見るかげもなく痩せて
目の下には深いクマが刻まれている
(……このまま…ここに置いてはおけない…)
本能的にそう感じたオレは
彼女の耳元で言った
「…アンタをここから出してやる」
するとレイナは
真っ直ぐにオレの目を見て答えた
『……ハルも…一緒?………じゃなきゃ私は行かない…』