第7章 東京卍リベンジャーズ・三途春千夜
席に戻ると
待ちかねたように蘭が話し掛けてくる
「三途〜…レイナちゃんの担当、外されちゃったんだって?」
「兄貴!今は本当にやめとけって!」
真剣な顔でたしなめる竜胆に
蘭はいつものようにヘラヘラと答えた
「いーからいーから」
「もう、オレ…知らねーからな!」
そう言うと
竜胆は部屋を出て行ってしまった
蘭は俺の隣に座り、なおも続ける
「…オマエの後釜は鶴蝶だってよ。…マイキー、何でオレには任せてくれねーんだろーなぁ…」
「……」
「…オレだったらさぁ…マイキーの居ない間もレイナちゃんのこと、ずーっと退屈させねーのに。……なぁ…そう思うだろ?三途」
「……あぁ……そうだな…」
いつもの軽口に付き合う気分にはなれず
上の空で返事をしていると
蘭は「つまんねーの」と言って立ち上がり
どこかへ行ってしまった
その日から
レイナに関わることは一切無くなった
彼女を知る前の生活に戻り
オレは淡々と毎日の仕事をこなした
それから数ヶ月が過ぎた頃
朝方、カチコミから戻ったオレは
仮眠をとるために事務所のソファに倒れ込んだ
ポケットからクスリのケースを取り出し
ザラザラと手のひらに錠剤をあけて
一気に口の中に放り込む
目を閉じてラムネ菓子のように噛み砕いていると
次第に耳鳴りがおさまってきた
「…三途……最近クスリの量増えてない?」
「…放っとけ竜胆……もう聞こえてねーよ…」
水の中に居るように2人の声が遠くなり
身体が沈んでいくような感覚がした