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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第7章 東京卍リベンジャーズ・三途春千夜




不意に強い風が吹いて
彼女の帽子を飛ばした



長い髪が乱れ
あらわになった首筋に
赤い痕を見つけた




この女は自分のモノだと告げる
"王の所有印 "




「……」





その時

彼女の腕が
背中に回されるのを感じた


『………ハル………………私…ハルのこと…』

「…ヤメロ」


絞り出した声は震えていた


『…っ…』


オレは腕の力を緩めて
レイナの身体を離した


「……」





いつからだろう

彼女の笑顔を見ると
胸の奥が疼くようになったのは




いつからだろう

マイキーがマンションに来ない日は
ホッとして理由もなく長居するようになったのは



ソファに並んで座り
取りとめの無い話をする横顔を盗み見て
抱き寄せてしまいそうになるのを必死に堪えていたのは


一体

いつからなんだろう





「……」

『……』



拾った帽子を握りしめたまま悲しげに俯いている彼女に
オレは言った


「…そろそろ戻るぞ…」

『…………ウン…』




手を繋いで通って来た道を

帰りは
少し離れて歩く



なにも話さず
ただ歩いていたレイナが
ふと立ち止まって言った


『…ちょっと…そこのトイレ行ってくる…』

「……家まで我慢しろ…」

『無理〜…すぐだから、待ってて!ね?』


いつものおどけた口調になった彼女に安心したオレは
「分かった」と言ってトイレの建物の外で待っていた


けれど
彼女は戻って来なかった



異変を感じ中へ入ると
裏手の窓が空いていた


「……っ……あのバカ‼︎」


オレは急いでレイナの姿を探した




公園の周辺にも
マンションの周辺にも居ない

かと言って
サイフもスマホも持ってない彼女が
それほど遠くまで行かれるとは思えなかった



(…サツにかけ込まれたかも知れない…)



もしそうなら完全にアウトだった

彼女を連れ戻すことはできない




オレはそうじゃないことを願いながら
レイナが行きそうな場所を探して回った





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