第7章 東京卍リベンジャーズ・三途春千夜
マンションのドアを開けると
廊下のあちこちに物が散らばっていた
異常を感じ
慌てて部屋へ上がる
開いていたウォークインクローゼットの中を覗くと
破かれた服が床を埋めつくしていた
「……」
《ガシャーン!》
何かが割れる音が聞こえて
オレは急いで突き当たりのドアへと向かった
目に飛び込んできたのは
食器棚を開け
取り出した皿を床に叩き付けようとしているレイナの姿だった
「やめろ!」
《ガッシャーン‼︎》
皿は大きな音を立てて割れた
足元に散らばる破片を蹴散らして近付き
グラスを取り出そうとしているレイナの手首を掴む
「オイ!…………もうよせ…」
『……っ…』
彼女の手からグラスを取り上げると
オレは食器棚に戻した
「……」
レイナは涙でぐしゃぐしゃになった顔でオレを見上げた
『…………ハ…ル……』
胸にしがみついて泣きじゃくる身体を抱き上げ
ソファへと運んだ
『……私…っ………ひとりぼっちになっちゃったよぉ…』
「……」
声を上げて泣くレイナに、何も言ってやれなくて
宥めるように背中を撫でていると
泣き疲れてしまったのか、彼女は静かになった
聞こえてくる
小さな寝息
膝の上のあどけない寝顔を見つめているうちに
少しウトウトしてしまったらしい
ふと気配を感じ顔を上げると
目の前にマイキーが立っていた
「……っ……マイキー…」
「……」
マイキーは何も言わず
眠っているレイナの身体を抱き上げた
膝の上の温もりが消え
まわりの温度が急に下がったように感じた