第7章 東京卍リベンジャーズ・三途春千夜
(……あーーーーウッッゼェ………アイツはオレをイラつかせる天才だ…………根本的な性格がオレと全く合わねぇ……っつーか、アイツと気が合うヤツなんて居るハズねぇ!)
(………大体なにが聖母だ……レイナのこと何も知らねぇくせに…勝手な想像して興奮してんじゃねーっつの!キモいワ‼︎)
(……大昔に警棒で殴られたことも…オレは未だに忘れてねぇぞ‼︎……このまま死ぬまで根に持ってやる…)
蘭が出て行ったドアを睨みつけているオレに
鶴蝶が声を掛けてきた
「……三途……デカい声出してたけど大丈夫か?」
「…あ?……あぁ…」
オレはジャケットの胸元から手を出して
大きくため息をついた
「……マイキーの女の世話も…毎日じゃ大変だよな………何かあったら言えよ?」
「…………あぁ………分かった…」
(……鶴蝶……コイツはいいヤツだ………信用できるし頼りになる…………何より……昔のことを根に持ってないところがいい…)
「……?……何だ……人の顔ジッと見て…」
「…ぁ……いや……何でもねぇよ…」
目を逸らしてそう答えると
鶴蝶は「変なヤツだな」と言って笑った
「……三途……さっきの話だが…」
「…?」
「………彼女……父親が既に殺されてたことを知って…スッキリしたって言ってたのか?」
「……あぁ……生きてるのか死んでるのか…いつまでも分からねぇよりはマシだってことだろ…」
「…………そうか……問題はこれからだな…」
「…?」
「………父親を保護してもらう必要がなくなった以上……彼女にはもう…あの部屋に居るメリットがねぇ…」
「……」
「………しばらくの間は……気を付けた方がいいと思う…」
「…………………そうだな……」
確かに
鶴蝶の言う通りだ
見た目は大人びていても、まだ十代という年齢の彼女が
自分の身と引き換えにしてまで守ろうとしたほどの父親を亡くしたにしては
さっきのレイナの態度は冷静過ぎていた
「……」
嫌な胸騒ぎを感じ
オレは事務所を飛び出した