第7章 東京卍リベンジャーズ・三途春千夜
『……ハル〜……まだお皿に残ってるけど、もうご馳走さま?…コーヒーのお代わり飲む?』
「……………もらう…」
『はーい』
彼女は新しいカップに入れたコーヒーをオレの前に置いた
『…美味しいでしょ?私のコーヒー』
「……」
悔しいが認めざるをえなかった
レイナのコーヒーはさっきと同じ豆で入れたとは思えない程、味も香りも完璧だった
『…カフェでバイトしてたからね。店長にみっちり仕込まれて…お客さんの評判も良かったんだよ♪』
「……へぇ…」
『…なーに?その興味無さそーな返事…』
「……」
正直言って全く興味無い
マイキーが遊びで囲ってる女の身の上など知りたくもなかった
『…もぉ……もっと関心持ってよ!ハルは私のknightなんでしょ?』
「……ナイト?」
『…マンジローが言ってた。…マンジローはKingで……ハルは、私の事を守ってくれるknightだって』
(…マイキー…一体ベッドの中でどんな会話してんだ…)
『……ハルは、私のためなら何でもしてくれるって…マンジロー言ってたよ……これからよろしくね♪』
レイナはそう言うと
キラキラした瞳でオレを見て笑った
身体目当ての遊びの女として囲っているだけかと思っていたが
その認識は大いに違っていた
梵天の王はレイナを寵愛した
週に2、3回部屋を訪れては
2人きりで時間を過ごす
彼女に様々な物を買い与え
生活は何不自由ないように思えた
オレはと言えば
彼女が欲しがる物の調達や食料、生活必需品などを毎日届けるのが仕事だった
ついでに健康観察や退屈しのぎの話し相手までやらされる始末
(……何がナイトだ……ただの世話焼きババァじゃねーか…)
仕事内容に不満はありながらも
彼女と時間を過ごし言葉を交わすうちに
始めの頃のような心の壁はだんだんと低くなっていった