第7章 東京卍リベンジャーズ・三途春千夜
次の瞬間
女の表情が曇り、失望の色が浮かんだ
『……』
散らばった服や下着類を次々につまみ上げては首を傾げる
文句までは言わなかったが
明らかにテンションはだだ下がりの様子だった
(はぁ〜〜〜〜お気に召さなかったようでスイマセンでしたね‼︎コッチは女の着るモンなんかよく分かんねーんだよ‼︎嫌なら裸でいろ‼︎)
オレは女の方を見ないようにしてパソコンを叩く
キーボードのEnter音がタン!タン!と部屋に響いた
女は服を紙袋に全部突っ込むと
それを持って寝室へ入っていった
その時
携帯が短く鳴った
蘭からのメールだった
"from : おさげ警棒 sub : おはー^ ^
昨日の子、三途が面倒見るんだって?いーなー。いつでも代わるから遠慮なく言ってね♡ "
「……………うざ。」
オレは " うるせー、仕事しろカス " と返信し、画面を閉じた
しばらくすると
洋服に着替え、髪も整えた女がリビングへ戻ってきた
(何だよ!フツーに似合ってんじゃねーか‼︎なのにまだ不満そうな顔してんじゃねー‼︎)
再び頭に血が集まって来るのを感じ
キーボードを叩く音が部屋中に響く
両手を使っていないと、いまにも拳銃を振り回してしまいそうな気がした
女はこちらへ真っ直ぐに歩いて来ると
ハンガーにかかったままのオレのジャケットを差し出した
『……コレ……ありがと…』
「……」
引ったくるように受け取ったジャケットをソファの背に掛け
再びパソコンに向かう
女はキッチンへ行き冷蔵庫を開けた
『……ぇっ…』
(…あーハイハイ。どーせメシも気に入らねーんだろ?…食いたくねーなら食うな‼︎んで餓死しろ‼︎その方が仕事が減ってオレもせーせーするワ‼︎)
イライラが限界突破寸前になったオレは
我慢できずクスリのケースを取り出そうとポケットに手を入れた