第7章 東京卍リベンジャーズ・三途春千夜
外に停めた車の中で一晩中待機していたマイキーの運転手に電話し
地下駐車場へ向かうよう指示した後
静かになった部屋で
オレはコーヒーを入れた
PCをチェックしながら何本か電話を掛けていると
寝室のドアが開く音がした
ボサボサの頭をしたバスローブ姿の女が
眠そうに目をこすりながらリビングへ入ってくる
『…ふわぁ〜〜……おはよう…マンジロー…』
大きなあくびをしながらそう言うと
ソファに居るオレを見て動きを止めた
『…アレ?…マンジローは?』
馴れ馴れしく王の下の名前を呼び捨てにする女に
早くもイラつき始めていたオレは冷たく言った
「首領はお帰りになった」
『…ふぅん…』
女は裸足のままキッチンへ向かうと
カップにコーヒーを注いでひと口飲んだ
『……うわ…まっっず‼︎…誰が入れたのコレ…』
「…っ…」
思わず右手がホルスターに伸びそうになる
けれど「くれぐれも頼む」というマイキーの声が頭の中に聞こえて、なんとか堪えた
(…何なんだコイツは……これからオレはこんな女の世話をしなきゃいけないのか⁇)
女はカップのコーヒーを流しに捨てると
水を口に含んでブクブクとうがいを始める
「……」
次第に頭に血が上ってくるのを感じ
オレは拳を握りしめた
(だいたい何だ!昨日と全然態度が違うじゃねーか!ここに住むなら死んだ方がマシだったんじゃねーのか⁈それにしちゃずいぶんぐっすり眠れたようだな!そんなにマイキーが良かったのかよ!このアバズレが‼︎)
「…買ってきた食料は戸棚と冷蔵庫に入れておいた……カウンターの下の紙袋に服が入ってる…」
怒鳴り散らしたい気持ちを抑えて淡々と説明する
こういう女は相手にしないのが1番だ
『わぁ♪どんな服買ってきてくれたの?』
女は紙袋を持って近づいて来ると
オレの向かい側にあるソファの上に中身をぶちまけた