第7章 東京卍リベンジャーズ・三途春千夜
翌朝
買い込んだ荷物を手にマンションの部屋へ戻った
キッチンの戸棚と冷蔵庫に食料を入れていると
物音を聞いたマイキーが寝室から出てきた
「おはようございます、マイキー」
そうは言ってみたものの
マイキーは、きっとゆうべも眠っていない
オレも睡眠時間は短い方だが
梵天の王はそれ以上に眠らない
身体を横たえ、目を閉じはしても
もう何年もぐっすり眠れてはいないのだろう
その証拠に
彼の目元には深く、濃いクマが刻まれていた
「…アレ、あるか?」
「…はい」
オレは荷物の中からどら焼きを取り出し
マイキーに渡した
彼はすぐに袋を開けて食べ始める
これが定番の朝食だった
「………あの女は…」
「…まだ寝てる」
『ここに住むなら死んだ方がマシ』だと祈りまで捧げていたけれど
どうやら気が変わったらしい
血だらけの部屋を掃除する羽目にならずに済んだことに
オレはひとまずホッとした
「……そろそろ行く…」
「…うっす……地下に車回すよう外のヤツに連絡しときます…」
「…あぁ…」
玄関へ向かって廊下を歩いていたマイキーが
不意に立ち止まった
「………三途…」
「…うっす」
「…………レイナの世話は…オマエに任せる…」
「……っ………ぅっす…」
「……くれぐれも頼んだぞ…」
そう言い残して
マイキーは部屋を出ていった