第1章 出会い
「な、なんだ君は!!」
男性は大きな声で、訪問者に向かって問いかける。
まるで達磨のような、ぶよぶよのお腹を精一杯動かしながら叫んでいるが、まるで迫力がない。
「おい、聞いているのか!人の邪魔をしやがって!!!」
返答を寄こさない訪問者に、苛立ちを覚えたのか
さらに大きな声で叫んでくる。
唾を飛ばしながら、まるで豚のように吠える客人。
だが、彼にはそんなことはどうでもよかった。
この部屋にはもう一人、人間がいた。
彼の視線は、その少女へと釘付けになっていた。
ベッドに鎖で固定され、口には猿ぐつわを嵌められ。
全裸で横たわる少女。
その体には痣や傷が多く見られる。
その少女に、今まさに事を起こそうとしている男性。
理解が追い付かず、体が硬直してしまった。
「貴様、早く出ていけ!強盗だというなら、金は机の上だ!持って出ていけ!!!!!」
ドンっと大きな音を立てながら、男性がベッドから降りる。
粗末な物をぶら下げながら、訪問者に近寄った。