第57章 バタービール
ホグワーツに戻ってきたのは、日が暮れかけたころだった。
ミラは少し緊張しつつもグリフィンドールの談話室に入ると、三人の帰りを待っていたハリーが、暖炉の近くのソファーに座っていた。ハリーはミラたちに気がつくと、落ち着かない様子で立ち上がった。
「…おかえり、みんな」
「ハリー!お土産いっぱい買ってきたぜ!」
ロンがパンパンに入った紙袋をハリーに差し出した。
「これは私からよ」
ハーマイオニーも微笑みながら、自分の持っていた紙袋をハリーに手渡した。
「ありがとう、二人とも----ミラ…」
「はい、これ。ハリーの好きそうなお菓子、いっぱい詰めといたよ」
ミラは申し訳なさそうな顔をしているハリーを見て、なんでもないように笑いながらハニーデュークスのお菓子が詰まった紙袋を渡した。
「ありがとう…ミラ、あのさ、今朝のことだけど…」
「…ううん、私もしつこく聞いてごめん」
「いや、僕の方こそごめん。あんなこと、言うべきじゃなかった」
ハリーのエメラルドの瞳が切なげに揺れた。
ロンとハーマイオニーは少し緊張した面持ちで二人を見守っていた。
「…君たちが行った後、すぐ謝るべきだって思ったんだ」
「…うん」
「後悔したんだ、ミラはただ僕のことを考えてくれてたのに」
「…うん」
「あんな言い方するべきじゃなかった。本当にごめん、ミラ…」
「ハリー…もう気にしてないから、顔をあげて」
ミラはハリーに優しく微笑んだ。
「一緒にお菓子食べよう!ハリーと一緒に食べたくて我慢してたんだ」
「うん、ホグズミードでの話も聞かせて」
ハリーとミラはソファーに並んで一緒に座ると、ロンとハーマイオニーもほっとした様子でその両隣に腰を下ろした。
そして四人は、お菓子の袋を広げながら話し始めた。