第9章 【第六講】留年するなら三年生で生徒会長になるのもアリかもね
「新ちゃん、何をしているの」
「姉上」
学食で神楽と共に昼食をとっていた妙は、教室に戻った途端に目の色を変えた。
あろうことか、弟がゴリラのしもべたる○○と昼食を共にしていた。
「あのゴリラ、汚い手を使うわね」
ゴリラの手先に、我が可愛い弟が籠絡されようとしている。
と、妙の目には見えた。
「私が近藤さんの差し金? 違う違う。誤解だよ」
「嘘おっしゃい」
妙は新八の手からフォークをもぎ取り、○○にかざす。
「いくら○○さんでも、フォークぶっ刺すわよ」
「いや、もうぶっ刺さってる! 血ィ噴き出してる!!」
○○の額からブッシャーと血が噴き出す。
「姉上! 証拠もないのに、□□さんがスパイだなんて決めつけるのは無茶ですよ!」
「証拠ならあるわ」
妙はフッと口元を緩ませる。
「女の勘よ」
「さすがだよ、お妙さん。その高慢さ」
○○は額に絆創膏を貼りながら、女帝・妙の傍若無人ぶりを称賛する。