• テキストサイズ

~セーラー服と銀八先生~ 銀魂3Z沿い小説

第8章 【第五講 後半】文化祭といえばライブがつきもの●け姫


「いいのか、理事長。アンタが一言、未来永劫文化祭をやらねーって約束すれば、丸く収まるんだぜ」

 男は○○の頭上で塩酸を揺らしている。

「ここに垂らしたらどーなるんだろーな?」

 塩酸がなんだ。こちとら車に轢かれて一回脳ミソぶちまけとるんじゃァァ、って嘘ウソ。そんなことはないけど。
 塩酸がなんだ。髪の毛なんてまた生えてくる。いやでも河童は嫌だ。つか皮膚も溶けるよね。
 うがああああ。

 と、○○は脳内で叫ぶ。
 傍目に見れば落ち着いて見えているだろうが、その内実は取り乱している。
 伏せている○○からは男が見えないため、いつ天から塩酸が降ってくるかわからない分、恐怖が増す。

 河童になったらあの長髪も全部むしってやるからな、バカツラ!!
 と、捨て鉢になっている○○の耳へ、

「ったくよー、映画に集中できねーよ」

 この場にふさわしくない気の抜けた声が届いた。
 姿を見なくてもわかる。担任、坂田銀八の声だ。
 銀八の問いかけにより、男が文化祭を憎む理由が判明した。

 高一、高二、高三と、文化祭準備期間でクラスの女子に惚れ、告白したが三度ともフラれた苦い思い出。

「文化祭のバカ!」

 ○○の頭上で響く男の声。
/ 226ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp