第20章 【第十六講】『やっぱり』猫『が好き』
「――それは一体なんでしょうか?」
医者と看護師はとある夫婦の一日を寸劇で示し、その不規則な生活の改善点を生徒達に求めた。
「ハーイ」
と、手を挙げたのは沖田だ。
「旦那がラーメンにマヨネーズをかけて食ってたのが不快でした。死ねばいいと思いました」
「ラーメンにマヨネーズの何が悪ィ?」
「人間じゃないと思います。でも、不摂生が祟って死ねばいいと思いました」
「俺のコレステロール値は運動と相殺されてんだよ」
「死ねばいいと思いました」
「結局、死ねばいいと思ってるだけじゃねーか」
「今すぐ死ねばいいと思います」
そもそも、今の寸劇、ラーメンは食べていたがマヨネーズは登場していない。
「はいっ」
次に手を挙げたのは近藤。
ビールを焼酎にすればいいとの的外れな解答を筆頭に、長谷川も生活習慣とはまるで関係のない解答を示す。
しまいには芝居がなっていないとダメ出しをした妙は、見本を見せると言いステージへと上がって行った。
こうなると、いつもの3Z劇場の幕開けだ。
「ちょっと待ったァ!」
夫婦を演じる妙と九兵衛が体を密着させていることに便乗しようと、近藤が相手役に名乗りを上げれば、
「ちょっと待ったァ!」
同じく名乗りを上げる東城。
「次は私にやらせてください」
新人女優(という設定は忘れられているような気もするが)のたまが山崎を旦那役にステージに立つと、
「主役の座はアタイがいただくよ!」
映画撮影の時に演技に目覚めた○○も立ち上がった。