第20章 【第十六講】『やっぱり』猫『が好き』
「あれはどうなんだ?」
土方は沖田を指し示す。
沖田は鼻フックを付けたさっちゃんを縄でグルグルと括っている最中だ。
「……あれはいいんじゃないの。どっちも楽しそうだし」
問題があるとすれば、その行為が朝っぱらの教室で行われているということだ。
「じゃあ、あれはどうなんだ?」
土方は近藤を指し示す。
近藤は全身で妙に飛びかかった。ここまでは立派なセクハラだ。
だが、妙はものともせずに足の裏で近藤の顔面を蹴り飛ばし、さらに地面に倒れた近藤を血祭りに上げている。
「朝から血生臭い場面は見たくないね」
「じゃあ、あれはどうだ?」
土方は東城を指し示す。
東城はゴスロリ服を両手に持ち、九兵衛に飛びかかった。
こちらもものともせず、九兵衛は目潰しの刑を東城に与えた。
「目がァァァ!!!」
目に激痛を与えているのはローションだ。
「そもそも教室で着替えさせようとすんな」
教師が来なければ、大概の高校生は騒いだまま。
3Zの生徒もその例からは漏れないが、やはり常軌は逸している。