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~セーラー服と銀八先生~ 銀魂3Z沿い小説

第18章 【第一四講】恋と抗争のドラマが織りなす境界線


「晋助殿」

 武市は僅かに驚きの表情を浮かべた。
 王はいつも、泰然とソファに座って構えている。
 表で騒ぎが起ころうとも、我関せずと興味を示すことはない。
 その王が、自ら動いている。

「おぬし」

 高杉に続いて、万斉も姿を現した。

「万斉さんもいらしたのですか」

 兵士よりも王が先に動くなど、かつてない光景だ。

「おぬし、こんな所へ何を……あ、ひょっとして、拙者のバンドに入りたいのでござるか?」

 万斉は勝手な解釈をした。

「生憎、リコーダーはバンドの編成に入れるつもりはないでござるよ」

 ジャンっとギターを掻き鳴らす。

「記念に一曲、セッションして行くでござるか?」
「何をおっしゃっているのです。彼女が風紀委員とご存じないのですか」

 敵対する風紀委員の一員に対してフレンドリーに接する万斉に、武市は呆れている。

「風紀委員? おぬしが?」

 万斉は近藤、土方、沖田以外に風紀委員を知らなかった。
 高杉一派にしてみれば、風紀委員などどうでもいい。興味もない。
 自分達さえ楽しければそれでいいと思っている。
 校内のことに目を配っているのは、武市くらいなものだ。

 風紀委員といえば、あの野生ゴリラを頂点とした野蛮な集団。
 同じく校歌を愛するこの女子生徒がその猿山の一員などとは、思い難し。

「おぬしが風紀委員とは、残念でござる」

 せっかく得た同志は仲良く出来る存在ではなかった。
 だが、そこは切り替えの早い万斉だ。

「で、その風紀委員が何用でござる?」

 万斉は○○に詰め寄った。
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