第17章 【第一三講】辻褄を合わせるのも楽じゃない
「嗚呼、嗚呼、夕陽が~照らし、あの子の頬も「紅だァァァァ!!」」
「リコーダー吹きながら歌ってるし! どこかで聞き覚えのある台詞だし!!」
相変わらず嗚呼嗚呼うるさいことにはもはや突っ込む気にもならないが、聞き捨てならない台詞にまた子は突っ込む。
「嗚嗚呼呼⤴⤵ 銀銀魂魂⤴⤵ 高等学校⇒~♪」
「え。ハモリ!? ちっとも伝わる気がしない書き方してるッスけど!」
○○はリコーダーを吹きながら、主旋律を歌い、さらにハーモニーを奏でている。
「これは」
万斉は目を見開いた。
サングラスで隠れていて誰にも気づかれないが、見開いた。
「拙者が編曲したバージョンでござる」
知る人ぞ知る十五番を歌い、さらに万斉が作ったハモリパートまでマスターしている。
思わぬ女子生徒の登場に、万斉は驚きを隠せない。
「何、学校の校歌、かってに改造してんスか! あ、これ競合誌の漫画タイトル言ってるわけじゃないッスよ!」
いらぬ気遣いをしつつ、また子は突っ込む。
「センキューでした!」
すちゃっと手を挙げ、○○はパフォーマンスを終了する。